この記事でわかること
- JR各社の「協調路線」組合として連合に加盟する立場
- JR総連・国労との三者分立が生まれた国鉄民営化の後遺症
- 民営化から40年、JR労使関係はどう変化してきたか
概要
日本鉄道労働組合連合会(にほんてつどうろうどうくみあいれんごうかい、略称:JR連合(ジェイアールれんごう)、英語:Japan Railway Trade Unions Confederation、略称:JRTU)は、JR各社における労働組合の連合組織である。日本労働組合総連合会(連合)、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)、国際運輸労連(ITF)に加盟している。
成り立ち・背景
現在、JRグループにおいては最大規模の労働組織を形成していて、特にJR四国・JR九州にはJR総連系の労働組合が存在しないなど、主にJR東海以西の各社における多数派労働組合を形成しており、JR東日本などにおいて多数派を占めていたJR総連と勢力を二分していたが、2018年のJR東日本の労政転換によるJR総連傘下の労組からの大量脱退によるJR総連の組合員数の激減により、現在ではJR総連を大きく引き離している。
組合員数は、2019年(令和元年)12月時点の労働組合基礎調査では約86,000人であったが、2026年(令和8年)現在は77,185人である。
かつて存在した鉄道労働組合(鉄労)は国鉄における第3の勢力を持つ組合で、労使協調路線をとっていた。また、国労に次ぐ第2の勢力を持つ組合である国鉄動力車労働組合(動労)は鉄労とは逆にストライキなど激しい活動をする組合で、鉄労とは常に対立関係にある組合であった。
だが、国鉄分割民営化に至る一連の動きの中で、当初は反対の姿勢を示していた動労・全国鉄道施設労働組合(全施労)などは当局の工作や、世論の流れや組織防衛、また民営化に強固に反対する第1組合の国鉄労働組合(国労)潰しなどで、予てから労使協調の姿勢を保っていた鉄労と共に民営化に賛成・容認をした。こうして、民営化を控えた1987年2月2日、民営化賛成派の動労、鉄労、日鉄労、鉄輪会、社員労は全日本鉄道労働組合総連合会(鉄道労連。分割民営化後はJR総連)を発足させた。一方の国労は分裂を重ね、一気に少数組合に転落した。
やっと成立したJR総連だが、実態は長年対立を繰り返してきた組合の寄り合い所帯で、かつて正反対の立場にいた旧鉄労と旧動労との2大勢力によって主導権争いが起こり、JR総連は何度も分裂の危機を呈していた。組合の主導権自体は数で勝る旧動労系が握っており、旧鉄労系はたびたび旧動労系を批判していた。
この2者の対立が決定的となったのは、国労組合員でJRに採用されなかった1,047人の採用問題の判決がきっかけである。
推薦・組織内国会議員
JR連合は特定の組織内候補は擁立せず、「21世紀の鉄道を考える議員フォーラム」を軸に超党派で鉄道政策に関与する形式をとっている。
JR連合国会議員懇談会(主な参加議員)
| 議員名 | 政党 | 選挙区 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 榛葉賀津也(しんば かずや) | 国民民主党 | 静岡県選挙区 | 懇談会長 |
| 長浜博行(ながはま ひろゆき) | 立憲民主党 | 千葉県選挙区 | 幹事 |
| 森本真治(もりもと しんじ) | 立憲民主党 | 広島県選挙区 | 幹事 |
| 広田一(ひろた はじめ) | 無所属 | 徳島・高知選挙区 | 幹事 |
- 組織内候補の擁立はせず、超党派の「議員フォーラム」形式で鉄道政策に働きかける
- 国民民主党・立憲民主党にまたがる支持構造が特徴
関連項目
Politype的視点
国鉄民営化後の「協調路線」を選んだ連合傘下の鉄道組合は、JR総連・国労と対立しながら実利的な労使交渉を続けてきた。「闘う組合」と「協調する組合」のどちらが組合員の生活を守れるか、という問いはここでも続いている。民営化30年の労使関係を検証する素材として読める。