この記事でわかること
- 国鉄民営化(1987年)でなぜ労働組合が複数に分裂したのか
- 旧国労・JR総連・JR連合という三者分立の歴史的背景
- 鉄道産業の労使関係が政治路線の違いを生んだ構造
概要
全日本鉄道労働組合総連合会(ぜんにほんてつどうろうどうくみあいそうれんごうかい、略称:JR総連(ジェイアールそうれん)、英語:Japan Confederation of Railway Workers' Union、略称:JRU)は、JRグループの労働組合の連合組織である。日本労働組合総連合会(連合)、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)、国際運輸労連(ITF)に加盟している。
現在、JR総連はJR北海道・JR貨物で多数派の労働組合を形成している。その他、鉄道関連(車内販売、古くは列車食堂やビュッフェ営業)としてホテル聚楽の労働組合であるホテル聚楽労働組合が加盟している。
成り立ち・背景
1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化にあたって、国鉄分割民営化に協力し、航空や自家用車・トラックの台頭で輸送シェアが低下し、斜陽化していた鉄道産業の再生と組合員の雇用を守るため、国鉄時代の国鉄動力車労働組合(動労)・鉄道労働組合(鉄労)・全国鉄道施設労働組合(全施労)・車輌労働組合(車労)・鉄輪会・社員労働組合・更に分割民営化に反対だった国鉄労働組合(国労)から分裂した真国鉄労働組合(真国労)などが、同年2月2日に国鉄改革労働組合協議会を結成した。初代会長は鉄労(旧鉄労)出身の志摩好達である。分割民営化後は各企業ごとの労働組合の連合体として全日本鉄道労働組合総連合会(鉄道労連)を発足させ、同年4月1日付けで全民労協に加盟した。略称は後にJR総連としている。
本州では予想以上の退職者が出て、定員割れになりそうな状況であった。
2月2日の鉄道労連結成大会では「われわれの仲間たちが民営化成功のために、派遣や広域異動、一時帰休に応じたのに対して、反対し妨害した汗も涙も流さぬ職員が現地で採用される、などということは絶対に認めない」とする内容を含む『新会社の採用・配属に関する特別決議』を採択し、たとえ定員割れになっても、国労など分割民営化に反対する職員を採用しないよう要請した(詳細は国鉄労働組合#JR以降と政府・経営側の評価を参照)。
JRには、本州・四国では国労・全動労などの組合員もほとんど採用されたが、定員超過の北海道・九州では、採用調査で国労・全動労の方針である「現地現職」と記入したり、白紙で提出したため採用されない組合員もいた。
鉄道労連の不採用者は全国で29名(北海道22、東日本1、西日本2、九州4。東海、四国は全員採用)、採用率は99%を超えた。一方、国労の不採用者は全国で5,049名(北海道3,400、本州3社57、四国2、九州1,550)であり、本州や四国の採用率は99%を超えたが、北海道と九州ではそれぞれ48%、43.1%だった。全動労も、北海道と九州の採用率はそれぞれ28.1%、32%だった。
推薦・組織内国会議員
JR総連は特定政党への組織的推薦を明示していない。2018年のJR東日本での大量脱退以降、組合員数が激減し組織力が低下している。
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 現職の組織内議員 | なし(事実上ゼロ) |
| 過去の関連議員 | 田城郁(旧民進党比例。JR東労組出身。2022年繰上当選・在任29日のみ) |
| 推薦情報の公開 | HP上で特定候補の推薦リスト未掲載 |
- JR総連(JR東労組系)は革マル派の影響が指摘される組織として知られる
- 「JR総連推薦議員懇談会」の活動は記録されているが、詳細は非公開
- JR北海道・JR貨物で多数派を維持するも、政治的影響力は低下傾向
関連項目
Politype的視点
1987年の国鉄民営化は単なる経営改革ではなく、総評(左派労組)の最大組合を解体する政治的作戦でもあった。中曽根政権が国鉄改革で狙ったものを知ると、1990年代以降の労働運動衰退と自民党長期政権の関係が見えてくる。国労・JR連合と合わせて読むと全体像がつかめる。